犯罪や事故の被害に見舞われた人々およびその家族の人権を擁護するとともに、被害者はその家族の人々が、社会的に、心理的に、さらに、人生そのものを回復できるよう、様々な支援活動を行う事を目的としています。
犯罪による被害者及びその家族や遺族(以下「被害者等」という)は、犯罪の直接的被害にとどまらず、被害後に生じる精神面、経済面等において大きな被害を受けています。
自分にとってかけがいのないものを一瞬にして奪われ、大きな喪失感や孤独感に苛まれたり、あるいは、一家の大黒柱を失って生活に窮するなど、犯罪が引き起こす被害の深刻さは計り知れないものがあります。
さらに、地下鉄サリン事件、大阪池田小学校児童殺傷事件等の痛ましい事件に見られるように、今日の社会においては誰もが犯罪の被害に巻き込まれる可能性があり、犯罪被害を自分には無縁の他人事と片付けられない状況に置かれているのも事実で、一人一人が自分の問題として取り組まなければならない社会全体の課題となっています。
欧米を中心とする諸外国においては、すでに1970年代から犯罪被害者等の支援の重要性が強く叫ばれるようになり、犯罪被害者補償制度が整備されるとともに、各種の民間支援組織が設立されるなど、社会を挙げて総合的な被害者支援活動が推進されております。
しかしながらわが国においては、これまで被害者支援に対する関心は極めて薄く、本来社会から支援される立場にあるはずの犯罪被害者は、犯罪者や被疑者に与えられている権利とは比較にならないほどの犠牲を強いられてきたのが実情であります。
このような状況の中、近年、犯罪被害者支援を求める世論が急速に高まり、支援のための法整備が図られるとともに、ボランティアを核とした民間の支援組織が次々と設立されてきました。
こうした民間組織は、2004年4月現在で、全国に27団体を数え、さらに全国組織「全国被害者支援ネットワーク」を結成して、被害者等を支援するための様々な活動を全国展開しています。
こうした情勢を踏まえ、本県においても、地域に根ざした被害者支援活動の基幹となる民間組織の結成を望む声が高まり、それぞれの分野の方々が中心となって、被害者等の置かれている実態や、その支援活動のあり方について検討した結果、民間支援組織を早期に設立する必要があるとの認識で一致しました。
そこで、一般市民が、犯罪被害を自分たち自身の問題として捉え、より住みやすい地域社会の実現のために、相談や支援活動を通じて、被害者等を総合的にサポートすることを目的とした市民組織「長崎被害者支援センター」を設立することといたしました。
つきましては、その設立趣意にご賛同を賜り、同センター設立に温かいご支援、ご協力をお願い申し上げる次第であります。
塩飽志郎(弁護士)
平成14年4月16日 | 第1回設立検討会 |
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平成14年6月17日 | 第1回発起人会 |
平成15年3月20日 | 設立総会 |
平成15年6月 6日 | 長崎県知事による設立認証 (長崎県指令14県生第203号) |
平成16年5月17日 | 第1回通常総会 |
平成20年12月10日 | 長崎県公安委員会指定『犯罪被害者等早期援助団体』 |
平成23年7月12日 | 一般社団法人長崎犯罪被害者支援センター設立 |
平成24年9月27日 | 特定非営利活動法人長崎犯罪被害者支援センター解散 (平成25年1月22日 特定非営利活動法人長崎犯罪被害者支援センター精算結了) |
平成24年10月 1日 | 公益社団法人長崎犯罪被害者支援センターへ移行認定 |
平成24年11月15日 | 長崎県公安委員会指定『犯罪被害者等早期援助団体』 |
相談員による電話相談及び支援活動員、臨床心理士、精神科医、弁護士等の専門家による面接相談を始めとする直接支援等の被害者支援活動を行うとともに、広報啓発活動を推進し被害者支援の必要性や重要性を呼びかけ、社会全体の意識高揚を図り、被害者も加害者もいない安全で安心できる長崎県のまちづくりを目指す。
事業名 | 事業内容 |
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電話相談に 関する事業 |
相談員による無料電話相談を実施し、相談内容に応じて臨床心理士その他の専門家による面接相談、関係機関への紹介等を実施する。 |
面接相談に 関する事業 |
被害者、遺族等の相談内容に応じて、臨床心理士、精神科医、弁護士等、各分野の専門家による無料面接相談その他の直接支援を実施する。 |
直接的支援に 関する事業 |
被害者、遺族等の相談内容に応じて、臨床心理士、精神科医、弁護士等、各分野の専門家による自宅訪問、警察署、病院、検察庁、裁判所への付添、情報提供その他の役務の提供、物品の供与貸与、性暴力被害者への医療費助成等の直接支援を実施する。 |
犯罪被害者等給付金の 申請を補助する事業 |
犯罪被害者等給付金の支給を受けようとする被害者、遺族等が行う裁定の申請について、相談、付添など、同申請を補助する事業を実施する。 |
自助組織に対する支援に 関する事業 |
被害者同士が集まり体験を語りあうことにより自助の精神に基づく支え合いの輪を広げていくための自助組織の活動を支援する。 |
広報啓発活動に 関する事業 |
ポスター、リーフレット等を作成するほか、県民を対象とする特別講演会を開催するなどして支援センターの相談窓口や活動内容についての広報を実施するとともに、社会全体の意識高揚を図るための啓発活動を実施する。 |
相談員等の養成及び研修に 関する事業 |
センター会員を含む被害者支援にかかわる各分野の専門家を講師として、支援ボランティアを養成する研修会を実施する。 |
被害者等の実態の 調査・研究に関する事業 |
被害者等の実態をふまえた被害者支援のあり方、方法等を研究するとともに、支援にかかわる会員およびボランティアの技能向上のための調査研究を実施する。 |
役職名 | 氏名 | 勤務先及び役職名 |
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理事長 | 前田 和明 | 臨床心理士(田川療養所心理室長) |
副理事長 | 川添 志 | 弁護士 |
理事 | 永田 吉朗 | 税理士(永田税理士事務所) |
理事 | 松尾 整子 | 元公立中学校校長 |
理事 | 天本 俊太 | 医師 |
理事 | 北瓜 宏明 | 弁護士 |
理事 | 森 一朗 | 医師 |
監事 | 中野 明人 | 長崎短期大学教授 |